働きながら子供を育てるワーキングマザーとして、限られた子供との時間をどう過ごすのがよいのかは、日々手探りです。
何か得られるヒントがないかと思い、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」を読んでみました。
筆者は働く母親に否定的であることがそこかしこに感じられる。
筆者は、1957年生まれの男性で、家庭教育などの個人学習指導に従事してきた方のようです。
そのためか、想定している「子供」としては、小学生くらいが念頭におかれているようです。
書いてあることにはうなづける部分も多々あるのですが、全体として、「働いている母親の子供=いつも一人で留守番をしていてかわいそう、母親の手作りごはんをあまり食べられなくてかわいそう、母親からあまり世話をしてもらえなくてかわいそう、かまってもらえなくてかわいそう」という思想が根底にあるように感じられます。
この本は決して、働く母親の味方ではないな、と感じます。
むしろ、働く母親には否定的です。
「働く母親でもこうすれば子供の能力を伸ばせる」的な本です。
働く母親に厳しいことが書いてあってもいいけど、働く母親への理解が根底にあってほしい。
最近は、ネットを中心に、「大事なのはママが笑顔でいられること」とか「上手に手抜き」とか、ワーキングマザーによって耳ざわりのよい記事や文章があふれています。
疲れているときは、そういう優しくて甘い文章に元気がもらえます。
「忙しくても、子供のために、できる範囲で、無理のない範囲で、何かできることはないか。接し方で気を付けることはないか。」と考えて、そのヒントや「喝」を求めている場合もあります。
なので、ワーキングマザーへの優しい甘やかしの本ばかりではなくて、厳しいこと言っている本も必要だし、参考になると思います。
厳しいことが書いてあっても、根底に、ワーキングマザーへの理解、ワーキングマザーとその子供のために、というのが感じられれば、参考にしてがんばろうと思えます。
ただ、この本のように「ワーキングマザーの子供=かわいそう」という前提だと、読めば読むほどがっかりしてしまって、なんだか前向きになれません。
よいこともたくさん書いてあるので、とても残念でした。