先日、投資口座を開設したソーシャルレンディングのmaneoに、実際に投資してみました。
複数の案件に総額45万円。
微妙な金額ですが、この投資にあたり、私が検討したことをメモしておきます。
担保・保証の有無
maneoの案件は、金利が高いだけあって、基本的にノンリコースローン(責任財産が限定されていて、未払いの場合、他の財産にかかっていけないローン)のようなので、担保・保証の有無はとても重要です。
maneoで投資家が受け取る利益は5%~8%程度ですが、maneoはこれに3%上乗せした金利で事業者に貸しているそうです。つまり、事業者は8%~11%で借りている。
このゼロ金利時代、銀行からもっと安く借りられそうですが、事業者がこんな高金利でmaneoからお金を借りるのはなぜなのでしょうか。
これについては、maneoのQ&Aにこのような説明がありました。
・創立後の年数が浅く、企業としてまだ銀行の融資対象にならない。
・必要資金が少額であるため、銀行が融資に消極的である。
・融資では掛け目が低く、多額の自己資金が必要となる。
・毎月の元本返済があり、事業のキャッシュフローと合わない。
・建物が竣工するまでは担保の対象とならないので、建築資金の融資が受けられない。
・銀行からも借りているが、資金調達の手段を増やしたい。など、事業の安全性や収益性とは別の問題で、銀行の融資対象とならない、あるいは銀行の融資ではマッチしない案件が少なくありません。
また、銀行に依存しない、新しい資金調達方法を模索する成長企業も多くあります。
なるほど。要は、リスクがあるってことでしょうかね(ざっくり)。
(3点目は意味がよくわかりませんが。「抜け目が低い」ってどういう意味でしょうか?)
担保・保証の内容
担保や保証があっても、未払いになったときにきちんとお金にならなければ意味がありません。
不動産の担保
不動産の抵当権(やその質権)については鑑定評価額が記載してありますが、評価書そのものを見ることはできません。
評価額が市場価値として妥当だったとしても、競売になったりした場合には、市価の半値~1割となることもあり得ます。
そのため、抵当権に順位がついている場合には、より高い順位のものがよいということになります(その分、高い順位の案件の金利は低めです。)。
物件の位置や種類についても概要が記載してありますが、田舎よりは都会の物件の方が安全に感じます(伸びている地方都市もあると思いますが、土地勘がないとわからないですよね。)。
種類としては、住宅よりは商業施設の方がよいような気もしますが、これも属性だけではなんとも言い難いですね。
保証
案件の中には、LCホールディングスという会社の保証がついているものがあります。
LCホールディングスは、JASDAQ上場企業なので有報やIR資料を見ることができます。
財務ハイライトの簡単な資料を見る限りは、そんなに現金をたくさん持っている会社ではなさそうな気もしますが、どうなんでしょうか。
貸付期間
maneoの貸付期間は、最大36ヶ月とのことです。
きちんとお金が帰ってくるのであれば、貸付期間を長くとった方が決まった利率での運用期間が長くなってよいのですが、あまり長いと先が読めず、リスクが高まります。
基本的には、短期のものが安心感があると思います。
maneoは、繰り上げ償還される案件が多いというブログ記事をあちこちで読みましたが、短期間の運用になったとしても、早期に利益確定するのは、リスク低減の点からはよいことだと思います。
貸付金の使途・目的
例えば、売却用の物件取得を目的とする借り入れであれば、物件が早期に売れれば、事業者は繰り上げ弁済するでしょうから、早期に利益確定できる可能性が高まります。
他方、運用目的の物件取得の場合、毎月の賃料収入から借入金の返済が行われるでしょうから、極端な早期弁済は考えにくいです。
このように、貸付金の目的もリスクの検討の参考になります。
結局「絶対に安全」はない。
ソーシャルレンディングのそもそもの位置づけとして、リスクあっての短期・高利なので、いろいろ考えてみても「絶対に安全」はないです。
後は、リスクの取り方について自分で納得できるものを選ぶだけです。
実際に投資してしまうと、この45万円について私ができることはもう何もありません。
投資信託であれば、買った後もイヤなら元本割れ覚悟で売ればよいのですが、ソーシャルレンディングの場合、ファンドが成立するともはや取り消せません。
ただ、このお金たちが大きく成長して無事帰ってきてくれるのを祈るのみです。
さらに願わくは、この投資したお金が少しでも世の中の役にたちますよう。